忙しい毎日から一歩抜け出して、心と体をゆっくり整えたい——そんな時、ふと足を運びたくなるのが「有馬温泉」。
神戸や大阪からアクセス抜群なのに、たどり着いた瞬間から空気感がまるで違います。静かで穏やか、どこか懐かしい街並みに心がすっと落ち着くのです。
特に秋は、有馬の魅力がぎゅっと詰まった季節。山々が紅葉に染まり、温泉街の坂道から見える景色は、まさに絵になる美しさ。
旅のはじまりは、温泉街の散策から。石畳の道をのんびり歩きながら、歴史ある旅館や工芸品のお店にふらっと立ち寄ってみたり、季節限定のお菓子を探したり。観光客でにぎわう昼間とは違い、朝の静けさや夕暮れ時の光の移ろいを感じるのも、また風情があります。
**
【温泉街で楽しむ食べ歩きグルメとレトロ観光】
温泉に入る前後に欠かせないのが、食べ歩き。ここ有馬温泉は、実は“グルメ温泉地”としても魅力たっぷり。
まずは有馬の定番「炭酸せんべい」。店頭で手焼きの実演が見られるお店もあり、焼き立ての香ばしさは格別!サクッと軽くて、ついもう一枚…と手が伸びます。
続いて人気なのが「湯けむりまんじゅう」。ほんのり温かい皮の中に甘さ控えめの餡がぎっしり詰まっていて、散策のお供にぴったり。秋限定の栗まんじゅうや、ほくほくの金泉たまごも季節感たっぷりで見逃せません。
「ありまサイダー」や「温泉たまごソフト」など、写真映えするドリンクやスイーツも多く、食べ歩き好きにはたまらないラインナップ。道の両側に点在するカフェや軽食店も充実しており、紅葉を眺めながらちょっと一息つくには最高のロケーションです。
有馬川沿いにはベンチや小広場があり、お気に入りのグルメを片手に、風景とともに楽しむ時間も格別。途中で立ち寄れる資料館やレトロな射的場など、昔懐かしい遊びができるスポットもあり、温泉以外の楽しみもしっかりと詰まっています。
【有馬ならではの金泉と銀泉。2つの泉質を楽しむ】
有馬温泉最大の魅力は、金泉と銀泉という2種類の泉質を一度に楽しめること。
金泉は鉄分と塩分を多く含んだ赤褐色のお湯で、しっかり体の芯から温まるのが特徴。寒い季節には特に嬉しいぽかぽか感が長続きします。保湿効果もあり、お風呂上がりの肌がしっとり。
銀泉は無色透明でさらっとした湯ざわり。ラドンや炭酸を含む泉質は、代謝促進や疲労回復に効果的で、金泉とはまた違うスッキリとした入り心地。
外湯めぐりをするなら「金の湯」と「銀の湯」へ。観光途中でも気軽に立ち寄れる立地にあり、入浴後には和風レトロな休憩所でまったり過ごすのもおすすめです。
宿泊施設の中には、2種類の湯を引いている旅館もあり、お部屋の露天風呂で贅沢に湯を楽しめるプランも人気。滞在中にいろいろな湯船をめぐる“館内湯めぐり”も、ここならではの楽しみ方です。
【和モダン旅館で過ごす、静かな贅沢】
今回選んだ宿は、温泉街の中心から少し離れた場所にある、和モダンが心地よく融合した旅館。
木材を贅沢に使ったロビーは、ぬくもりのある空間。館内にはジャズが静かに流れていて、自然と歩調もゆったりに。
お部屋は畳スペースと洋風インテリアが絶妙に調和。低めのソファに腰掛けて、窓の外の紅葉をぼーっと眺めるだけで、頭の中がスーッとクリアになります。
露天風呂付き客室では、秋の夜風を感じながら湯に浸かる贅沢。虫の音や風の音しか聞こえない夜に、ただただ静かに過ごす時間は、何ものにも代えがたい癒しです。
【地元食材を活かした季節の会席料理】
夕食は、季節と地域の恵みを存分に味わえる創作和会席。
神戸牛のステーキはミディアムレアで提供され、ナイフを入れるたびにジュワッと肉汁が溢れます。とろけるような口当たりと、深い旨みの余韻が残る一皿。
地元・淡路の鯛、明石のタコ、丹波の黒豆、旬の松茸や銀杏といった秋の味覚がコース全体にちりばめられ、飽きのこない構成に。
器や盛り付けにも季節の花や木の葉をあしらい、見た目の美しさにも心が和みます。デザートには柿や梨のコンポート、自家製きなこアイスなど、締めまで抜かりなし。
朝食も、手作りの湯豆腐や出汁の香る味噌汁、炊きたてご飯に香の物といったシンプルだけれど丁寧な構成。旅の疲れを優しく癒してくれる、滋味深い朝ごはんでした。
【アクセス|主要都市からスムーズ】
▶電車でのアクセス: ・大阪駅 → 神戸(三宮)駅:約30分 ・三宮駅 → 神戸電鉄「有馬温泉駅」:約30分
▶車でのアクセス: ・中国自動車道「西宮北IC」より約15分 ・阪神高速「有馬口IC」より約10分
ナビ検索は「有馬温泉観光案内所」でOK。
秋の紅葉シーズンは道路が混雑することもあるため、時間に余裕を持った出発がおすすめ。旅館によっては駅からの送迎サービスもあるので、事前に確認しておくと安心です。
**
【まとめ|癒しと楽しみ、両方を満たす有馬の旅】
温泉、食、自然、そして街の空気感——すべてが調和した「有馬温泉」は、どんな旅人にもぴったりの癒しの地。
たった半日でも非日常を感じられて、泊まればもっと深く整えられる。ひとり旅にも、友人との息抜き旅にも、大切な人との記念旅行にもフィットする、万能な温泉地です。
次の週末、自分を甘やかすように、ふわっと心をゆるめる旅へ。有馬温泉で、思いっきり“整えて”みてはいかがでしょうか。
**
【関連記事リンク】
▶【城崎温泉】7つの外湯めぐりと浴衣でそぞろ歩き体験
▶【淡路島】海と花と美食をめぐるドライブ旅
▶【南紀白浜】絶景と海の幸を楽しむ大人の休日プラン
▶【湯布院】アートと自然に触れる、心洗われる湯のまち時間
**